ともだちは、プレッシャーを掛け合わない関係が心地いい 清水みさと×山瀬まゆみ
ことなるわたしたち
前回に引き続き、清水みさとさんをゲストに、“大人の『ともだち』”をテーマに人との繋がり合いを伺っていく後編。前編では、人との関わり方が変わったきっかけについて語り合いました。今回は、同じテーマをさらに掘り下げ、そこからどのように他者と交わり合うようになったのかを紐解きます。清水さんにとって、ちょうどいい人との距離感とは?
出会いは、積極的に繋がり合うように。流れに身を任せる時間にする。
山瀬まゆみ(以下、山瀬)_前回ではサウナに通うようになって、人とのコミュニケーションは軽くてもいいという気づきが得られたという話を伺いました。私もみさとさんと同じ関わり方をしているなと思っていて、私にもきっかけがあったんですよね。大学進学でイギリスへ留学した時でした。当時、フラットシェアと言って、要はシェアハウスで知らない人と何人かで住んでいたので、初めて家族ではない人と一緒に住むことになって。それがすごい意識として変わった時でしたね。朝も夜も、他人が家に必ずいるんで(笑)。ご飯作ろうとキッチンに行けば誰かと会うし、トイレ行くだけでも誰かとすれ違うし(笑)。人を気にしていたらしょうがないという感じで。その頃から、なんか自分のバリアが変わったんですよね。それまでは、知らない場所に全然行けなかったけど、そういうのが全く問題なくなったというか。
清水みさと(以下清水) _それでいうと、ラフでいいんだ、軽くていいんだと気づいてからは、人から受けた誘いに積極的に参加するようになりました。自分の時間が空いていたら、たとえその場に知らない人たちがいる場所であっても行くって決めてます(笑)。なんていうか、その時間が面白かったら“出会い”になるし、つまらなかったらエピソードになると考えるようになって。行ってみないとわからないというスタンスになったというか。流れに身を任せるというんですかね。深く関わって、突っ込みすぎて喧嘩とかになるのも嫌ですし。
人の考え方を変えようとしてまで、人と関わることはしない。人それぞれの対話の仕方がある。
山瀬 _夫や仕事に関してもそういう感じの関わり方ですか?
清水_夫は年齢も離れていることもあって、喧嘩という喧嘩はしたことないですね(笑)。でも、それこそ悩んだり迷ったりしたら相談する相手なので、浅くはない関係です(笑)。仕事はどうだろう? こだわりが強いタイプなので、譲れない部分があった時は最後まで戦ってしまうことはあると思います。好きなことになると、頑固になってしまう側面はありますね。怒るっていうよりは、自分が思うようにしっかりと伝えたいという気持ちが強くなります。
山瀬_ そういう意志の強さを友人関係に対して出したりはしないんですか?
清水_ 人に対しては全然ないです! 人の考え方って、その人その人の考え方があって、その人の正解であって、私には私の考え方があって、私なりの正解がある。それを一方的に伝えて、粘ったとしても、人自体が変わるってことはないと思うんですよね。そこまで、なんでもかんでも誰にでも同じ気持ちを共有し合いたいとは思わないというか。
山瀬_ 確かに。私も深刻な悩みは親族にって話しましたけど。例えば仕事で悩んだりしたら、その界隈の知り合いに相談するかもしれない。その時の悩みの内容によって相談する相手を変えていくというのはあります。
清水_話すトピックって、人によって変わりますよね。親密さによって話の内容を分けているというのではなく、ジャンルによって話す人が変わってくる感覚です。
理想的な友達との距離感は、プレッシャーのない関係。
山瀬_ 私ここ1年くらい、朝活と称して、2週間に1回くらい友だちと二人、朝に集まって、コーヒー飲んで他愛もない話をして時間を過ごす習慣を作っていて。結構それがいいんですよね。理想的な友達との時間って感じがしています。
清水_それはいいですね~! 適当に喋っていること自体を楽しく感じるって、理想的かもしれないです。むしろ、友達との関係ってそれが醍醐味というか、それだけでいい気がしていて。意味ある話をしたいともあまり思わないかも。だからこそその時間を居心地がいいって思えるんじゃないかなと。だって、そこに意味を見出してしまったら、むしろお互いプレッシャーを感じてしまう気もするし、そこに損得勘定が生まれてしまうんじゃないかなって。友達ってそういう付き合いではないですよね。友達だけではなく、人と関わり合う時、そういう気持ちが強くなってしまったら、純粋な気持ちで交わることができなくなってしまう。でも人とは交わっていきたいし、交わっていくべきものだとも思っています。ひとり行動が好きと言っても、やっぱりひとりぼっちでは何もできないこともあるし。私にとっての大人の友達は、そういう距離感がちょうどいい関係です。
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Profile
清水みさと Misato Shimizu
大のサウナ好きで、大学生の時から毎日のようにサウナに通い続けている。「サウナイキタイ」ポスターモデルはじめ、サウナに関するラジオ・連載・イベント等、多方面で活躍中。2022年には、サバンナ・高橋茂雄さんと〝サウナ婚〟を発表。
山瀬まゆみ Mayumi Yamase
1986年東京都生まれ。幼少期をアメリカで過ごし、高校卒業と同時に渡英。ロンドン芸術大学、チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ&デザインにてファインアート学科を専攻。現在は東京を拠点に活動する。抽象的なペインティングとソフトスカルプチャーを主に、相対するリアリティ (肉体)と目に見えないファンタジーや想像をコンセプトに制作する。これまでに、東京、ロンドン、シンガポールでの展示、またコム・デ・ギャルソンのアート制作、NIKEとコラボレーション靴を発表するなど、さまざまな企業との取り組みも行っている。