ほうじ茶チャイラテを淹れる朝 haru.×カイノユウ【後編】
月曜、朝のさかだち
『月曜、朝のさかだち』シーズン2、第17回目のゲストはモデル、そしてお茶ブランド『SA THÉ SA THÉ(サテサテ)』主宰のカイノユウさんをゲストにお迎えしています。
『ORBIS IS』のシーズン特集テーマは「私と休息の設定図」。この特集では、暮らし方も生き方も働き方も混ざり合い、オンとオフの境界線がどんどん曖昧になっている今、改めて休むことそのものをゲストのみなさんと一緒に考え直していけたらなと思っています。

記事の前編では、ほうじ茶チャイラテを淹れた朝活を振り返りながら、カイノさんが『SA THÉ SA THÉ』を立ち上げた経緯、お茶産業の過去と現在、世界で広がる抹茶ブーム、人との繋がりを通して広げる現代のお茶のあり方などについてお話しいただきました。
後編では、母としての生活も送るカイノさんのリアルなライフバランス、誰も教えてくれなかったと話す産後の感覚、休息と『SA THÉ SA THÉ』のあり方などについてお話しいただきました。

本編へ進む前に、まずは視聴者さん、読者さんから集めた「ゲストに聞いてみたいこと」にお答えいただきました。今後も『月曜、朝のさかだち』に遊びに来てくれるゲストのみなさんに聞いてみたいことを募集しているので、ぜひORBIS ISのSNSをチェックしてみてくださいね!

カイノユウ さんに聞きたいコト
Q.忙しい中でもいつも落ち着いて穏やかな印象を受けますが、心がけていることはありますか?
A.全然穏やかじゃないです。笑 見た目がクールに見られがちなので落ち着いてるように見えるかもですが…忙しい時は頭の中がパンパンで周りが見えなくなるし、”無”で目の前のタスクをこなすだけになるし、もう家も荒れてひっちゃかめっちゃかです。
ただそんな忙しい時でも「散歩する時間」は作っています。昼間にできなければ夜にすることもあります。冬の散歩が一番好きで、外気が冷たくてひんやりしてるので頭がスッキリします
Q.今年、挑戦してみたいことはありますか?
A.免許を取る / 煎茶のお稽古に通う

お茶ブランド主宰、モデル、そして母という三足の草鞋
haru._ユウちゃんは『SA THÉ SA THÉ』*①の主宰という肩書きと、母という一面もあるんですよね。私もイベントのときにユウちゃんから「実はそうなんですよね」というお話しを聞いて、すごいなって思った。イベントでもバリバリ動き回ってて、モデルの仕事もずっとしてるから、「いつの間に!?」っていう感じですごくびっくりしたんだよね。
カイノユウ(以下:カイノ) _ そうそう。Instagramとかでも改めて言ってないんだよね。そもそも結婚したことも言ってなくて。結婚は26歳でしてるんだけど、わざわざ公表しなくてもいいかっていう感覚だから、そこで急に「子どもを産みました」って言っても、「結婚してたの!?」って驚かれてもわけがわからなくなっちゃうと思って、SNSには載せてなかったんだよね。でも、隠してるわけでもないし、指輪も取材時にはつけて出たりしてるから、知ってる人は知ってるぐらいでいいかなっていう感じでやらせてもらっています。
haru._その辺難しいよね。今日もよかったら子育ての話も聞いてみたいなと思っています。私の周りでも出産して子育てをしている人が最近は増えてきていて。でも、自分も含めて、東京に住んでいると、まだまだ仕事一筋っていう人も多いから、実際に出産と子育てを経験している人の体験談を聞いてみたいなって思ってた。
カイノ_子どもを産んでから、生活はすごく変わった。もともと今の旦那さんとずっと一緒に住んでいたのもあって、結婚したときに生活が変わることはなかったの。でも、子どもが生まれるっていうのは、自分の時間がほぼゼロになるようなものだったんだよね。でもそのことを産む前に誰も教えてくれなかったし、こんなにも大変だっていうことを誰も教えてくれない。だから産んだ後は結構大変だったなって思う。その分、世の母たちはみんなすごいなって改めて思った。
haru._今お子さんはいくつ?
カイノ_この前2歳になって、だいぶ喋るようになってきたから、意思疎通もできるようになって、ちょっとずつ楽になってきてる。でも、まだ全然一人じゃできないこともいっぱいあるし、母か父のどちらかがいないと一人ではいられないから、まだまだ自分の時間はないかな。
haru._それでもモデルと『SA THÉ SA THÉ』やっててすごいよね。
カイノ_本当に1年が目まぐるしすぎて、ずっと瞳孔開きまくってる(笑)。撮影が朝の7時からあるとしたら、6時には家を出なくちゃいけないし、その1、2時間前には起きて朝ごはんを作らないといけない。それすらも仕事だって思わないと、起きれないくらい寝る時間も削られてる。夜は夜で、子どもが寝たらいろいろ家事をしなくちゃいけなくて、すぐに洗濯をして食器を洗って、掃除をしてみたいなことをしてると、結局寝るのは0時過ぎになっちゃう。これをママたちはみんなやってるんだと思うと、本当にすごい。
haru._『SA THÉ SA THÉ』のことはどのタイミングでやるの?
カイノ_モデルの仕事が毎日あるわけではないから、保育園に子どもを送り出した後の日中にいろいろやってる。お迎えの時間までが勝負。でも、イベント前はやっぱり忙しいから、旦那さんにいつも以上に家事を多くやってもらって、その間にいろいろやったりしてる。
haru._脳の切り替えがすごいね。
カイノ_自分でもすごいなって思う。でも、本当はもっとお茶のことをアクティブにやっていきたいんだけど、今はもうカツカツだから、これ以上できないことにもどかしさもある。もう少し子どもが大きくなったら、じいじやばあばに面倒をみてもらったりして、もう少し活動できたらいいなって思ってる。でも、子育ても大事だから、うまく時間を見つけて『SA THÉ SA THÉ』のことをやっていこうかなって思ってるかな。

haru._今は今のバランスがきっとあるよね。モデルのお仕事って、自分の身体の変化に敏感じゃないといけなかったり、仕事に合わせていろんなものを調整するじゃない?でも、妊娠や出産の前後で身体もすごく変わったりすると思っていて。私はモデルのお仕事をしてるわけじゃないけど、自分の身体が変わることに対しての恐怖がすごくあるの。この間もピルを飲み忘れちゃって、久々に生理を体験したときに、「こんなのが毎月来るなんて無理。耐えられない!」みたいな気持ちになったんだよね。だから、子育てはしてみたいと思うんだけど、それに伴う身体の変化に対する怖さが大きすぎる。
カイノ_出産って交通事故と同じくらい身体に負荷がかかるらしいよね。物理的な痛みもあったんだけど、私はホルモンバランスが崩れちゃって、お腹の中から子どもがいなくなっただけですごく涙が出てきちゃったの。そこからも、目の前に何もできない、ただただ泣いている子どもがいて、可愛いはずなのに、どう抱っこしていいかもわからなくて困惑したり、今は助産師さんが隣にいて、いろいろ手伝ってもらえているけど、3日後には退院してこの子をお家で私が育てなくちゃいけないことにすごく不安を感じたりしてた。それで毎日のように泣いてるのが1、2ヶ月ぐらい続いて、これがもっとひどくなると、産後鬱に繋がっていっちゃうんだろうなって思ったんだよね。そういう精神的な変化っていう今までにないことを経験して、自分自身が向き合わなきゃいけないことだけど、一人では抱えきれなくて、パートナーや親、親戚とかいろんな人に頼らなきゃいけないなっていうのを改めて再認識した。
haru._壮大なプロジェクトだね。
カイノ_壮大すぎて、「なんで誰も教えてくれないんだろう」ってすごく思った。あと、もともと忘れっぽい性格なんだけど、子どもを産んでからもっと忘れっぽくなってる。旦那さんが言ったこととかを全部忘れて、喧嘩になることが増えて、脳も変化してるんだろうなって思った。そういう変化に今は慣れちゃったけど、これを本気で向き合ったら大変なんだろうなって思う。
haru._産んだ後の、お腹に子どもがいなくて涙が出たっていうのは、喪失感みたいなことなの?
カイノ_そうそう。生まれたら、絶対に嬉しいものだと思ってたの。でも、ずっとお腹にいて、それが下を向いたら見れていたのに、「何かが無い…」みたいな、不思議な気持ちだった。
haru._そうなんだ。仕事の仕方は変わったりした?
カイノ_仕事は時間の制限がやっぱりできるようになった。保育園の送り迎えに行かなきゃいけない制限があるから、限られた時間のなかで何をするかっていうのを結構考えるようになったかな。今まではダラダラやっててもいいくらい時間があったけど、今は決断が早くなってきたかも。それが良いのか悪いのかは別としてね。考えてる暇もなくなってきたからね(笑)。
haru._モデルの仕事、『SA THÉ SA THÉ』、母っていう、三足の草鞋で活動してると思うんだけど、もっとこういうサポートがあったらよかったなって思うことってある?
カイノ_モデルの仕事って、突然休むことは絶対にできない仕事で。でも子どもは保育園から風邪ウイルスをもらってきちゃうこともある。私も旦那さんも仕事が休めないときに、自治体がやってる病児保育とかがあるんだけど、その登録がすごく大変なの。そこがもう少し簡単になればいいな。今後はベビーシッターさんにお願いしようかなって考えたりもするけど、結構金額が高いんだよね。どういうサポートが必要っていうことを今すぐに言うことは難しいんだけど、そういう悩みは感じてたりする。

非日常を全力で楽しむ
haru._昔、私がユウちゃんを取材したときに、「自分は言葉が苦手だけど、闘ってる人たちにすごく共感をしている。自分はSNSで発信したりはしないけど、お茶を提供して、みんなが一息つく時間やきっかけを作れたらいいな」って言っていたのをすごく覚えてる。みんなそれぞれ自分の闘い方や活動の仕方があって、ユウちゃんみたいに、いつも動き回ってる人が羽を伸ばせる場所を提供してくれる人がいてくれるということもすごく大事なことだなってそのときに思ったの。今回のORBIS ISの特集テーマが「私と休息の設計図」なんだけど、ユウちゃんが休むときはどういうふうにリラックスしてるの?
カイノ_最近はあまり休むみたいなことがない。でも、夜に旦那さんがいるときとかは、お笑いを見に劇場に行ったりする(笑)。お笑いが結構好きで、ラジオを聞いたり、落語も好きだから聞きに行ったりもしてる。そうやって、普段は体験できないような非日常みたいなところに行って、好きなことを全力で楽しむことをしています。それが結構リラックスになってるかも。あとは、移動時間が一番の自分時間みたいな感じだから、そのときに好きな深夜ラジオとかPodcastを聞いたりしています。
haru._何かおすすめはある?
カイノ_その時々で自分のなかで流行りがあって、聞きたいものはいっぱいあるんだけど全部は聞けてないんだよね。深夜ラジオも2時間とかあったりするから、1週間で全部消化しきれなくて、めっちゃ溜まってる。
haru._私は芸人さんだとヒコロヒー*②さんのラジオをPodcastに再編集されてるやつを結構聞いてる。でもPodcastで聞くと、音楽紹介部分がカットされてるんだよね。
カイノ_あー!TOKYO FMでやってるやつ!私もそれ聞いてる。あれ、音楽がめっちゃ良いんだよ!
haru._そうだよね。ヒコロヒーさんが紹介してる音楽をすごく聞きたいんだけど、いつもそれをすっ飛ばしたバージョンを聞いてるんだよね。あの番組は1週間でいろんな芸人さんが交代で曜日担当してるんだよね。その流れでレインボー*③さんも聞いた!
カイノ_おもしろそう!聞いてみよ。
haru._そういえば、『SA THÉ SA THÉ』の名前の由来って?
カイノ_「SA THÉ SA THÉ」ってフランス語なんだけど、「SA」が「her(彼女の)」、「THÉ」が「お茶」で、「彼女のお茶」っていう意味なの。あとは、「さてさて」っていう日本語の一息ついてまた仕事始めるときなんかに使う言葉を用いてて。そういう誰かの一息つくためのお茶になってほしいっていう意味を込めて名前をつけたの。
さっきharu.ちゃんが言ってくれたように、私は言葉で伝えるのが本当に苦手。それにモデルをやっていると、誰かのためになってるって感じられることが少ないんだけど、それでも何か力になれたらいいなって思っていて。今って忙しない世の中だし、世界情勢も変わったり、天候が良くなかったりでみんな心身ともに体調を崩しやすいじゃん。言葉で伝えることも大事だけど、イベントを主催したり、新しいお茶を作ったりして、いろんな人にそういう企画に参加してもらってお茶を飲んでもらうことで、間接的に元気を与えたり、ちょっと一息つくきっかけを作れたらいいなと思ってブランドをやってる。

haru._言葉が苦手って言ってるけど、すごくお話し聞きやすい!お茶の説明も、ブランドのコンセプトの文章とか、すごく良いなって思ったよ。
カイノ_ありがとう。haru.ちゃんみたいに言葉を仕事にしてる人に言ってもらえると嬉しい。
haru._わたくし、言葉苦手ですから(笑)。
カイノ_本当に!?この番組もすごく聞いてるけど、すごく聞きやすいよ。
haru._私のボキャブラリーのなかに難しい単語が無いから、自分でもわかりやすい言葉で話してるからかも。
カイノ_伝わることが大事だもんね。
haru._そう。伝わればいいと思ってる(笑)。『SA THÉ SA THÉ』の商品で、お茶初心者の人でも飲みやすいものがあったら教えてほしい。
カイノ_最初に出した水出しの煎茶かな。2026年は茶葉が抹茶の原料になっちゃうかもしれないから、これまでと同じ味が出せるかわからないんですけど、最初に出した冷茶は、誰でも簡単に美味しいお茶が飲めるようにと思って作ったお茶なので、水を入れておけば一晩で本当に美味しいお茶ができる。茶器がなくても、水出し用のポットやマイボトルでもできるから、初級編みたいな感じで楽しめると思う!
haru._これは1年中買えるわけではないの?
カイノ_一応、夏の時期に出してるんだけど、在庫があれば冬も売ってる。いつも6、7月ぐらいにその年の茶葉を使ったものを発売してる。
haru._じゃあ、みなさんがこれから買えるものとしては、今日の朝活でも使ったほうじ茶チャイシロップかな。
カイノ_はい。それ一個あればミルクで割ってもいいし、ソーダを入れてティーソーダにしてレモンをちょっと絞るとクラフトコーラみたいにもなるの。それも飲み物としてとっても美味しくて、気軽に日本茶を楽しめるのでおすすめです。
haru._ぜひチェックしてほしいです。ユウちゃんは2026年をどんな1年にしたいですか?
カイノ_車の免許を取ります!でも5年ぐらいずっと言ってるから、私の友達は「まだ取ってないんかい!」って思ってると思うんですけど、2026年は絶対に取ります。
haru._ここで言ってしまったので、本当に取らないとね。
カイノ_急に時間ができたときとかに、気軽にお茶屋さんに行ったり、できることも増えるので。車がないと行けないところも多いからね。イベントを地方でもやるってなったときに、車がないとやっぱり大変だし。
haru._私は免許は一応持ってるので、運転を頑張ります(笑)。
カイノ_持ってるんだ!
haru._こう見えて持ってるんだよね(笑)。でも、東京で運転したことないので、「運転できる!」って思えるところまで持っていきたい。
カイノ_お互い運転できるように頑張りましょう。でも、私は意外と要領があまり良くないから、免許を取るのに1年ぐらいかかる気がする。
haru._いいんだよ。私も、1年かけて試験受けて落ちて、不貞腐れて行かなくなっちゃったんだけど、追試が1年で有効期限切れちゃうってなって、期限ギリギリに行って取ったから、トータル2年かかってる。
カイノ_勇気でた(笑)。haru.ちゃんの記録を超えないように頑張る(笑)。
それでは今週も、いってらっしゃい。
ゲストのカイノユウさんが主宰を務めるお茶ブランド。茶葉やティーバッグだけでなく、オリジナルの茶器を取り扱い、オンラインショップ、イベント出店でお茶の魅力を発信している
②ヒコロヒー
愛媛県出身のお笑い芸人。独特の低音ボイスとシニカルな一人語りが持ち味で、バラエティからエッセイまで幅広く活躍している
*③レインボー
池田直人とジャンボたかおによるお笑いコンビ。恋愛や人間関係を題材にしたコントでSNSを中心に人気を集め、バラエティーやYouTubeなど、幅広いメディアで活躍している
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Profile
カイノユウ
2014年にモデルデビュー。雑誌、広告などモデルとして幅広く活躍する傍ら、2020年にお茶ブランド「SA THÉ SA THÉ 」(https://sathesathe.com)をローンチ。日本茶の魅力を広めるためイベントなども精力的に行なっている。